【スペイン道中記】

スペイン道中記(7)
5月1日 23時50分
 今日は午前中グラナダよりコルドバへバスにて移動。一面オリーブ畑の中に時々小高
い丘にはイスラム文化の名残をのこす城やそのまわりの白い家の集落をさっそうと走り
過ぎ、1時30分頃コルドバ市内へ到着した。
 グラナダでは市内散策等個人行動の時間がまったくとれなかったので、コルドバでは
極力自由行動をすることとした。コルドバ市街(ローマ橋)
 3時からメスキータやユダヤ人街を観光するとのことだったので、昼食などは一緒に
とらず3時までは自由行動とした。
 今晩のコルドバ・グラン・テアトロであるスペイン国立バレエ団のチケットを求める
ため、劇場へいったが受け付け嬢に聞くとチケット販売は5時からとの事である。
 市内観光後に購入することとし、軽い昼食をBARでとりユダヤ人街を観光し3時に
待ち合わせ場所へと向かった。
 市内観光はまず、メスキータを見学。どこの建築物を見てもそうだが、西暦800年
頃にどうやってこんな巨大な建造物を建てたのか、建てる事を命じた人はどんな思いで
、工事に携わった人々はどんな思いで働いたのか???理解不能である。
 ただただ唖然とするばかりである。
 その後はユダヤ人街をひとしきり散策し、5時前に再び自由行動となった。
 コルドバ・グラン・テアトロに行ってみると、すでにチケット売り場は開いており、
片言のスペイン語でなんとか、指定席をゲット。ぶらぶらとホテルまで歩いて帰り部屋
でしばし休憩。
 8時頃ホテルを出、道すがらBARで夕食をとり9時前に会場へ到着。9時開演のた
めすでに他のお客はほとんど席についている。会場のコルドバ・グラン・テアトロは中
が楕円形をしておりその周りをとりまくように4階まで客席がある。いわゆる劇場でよ
くある形である。階段に大理石が使用されており歴史が感じられる風情である。
 自分の席をさがし座って回りをみわたすと当然ながらほとんどスペイン人。約10分
遅れで客電が消え真っ暗な状態からスタート。両サイドのスピーカから大音響と供に踊
り手が数人でてきて踊りだす。手にはカスタネットをもち、踊るスタイルはフラメンコ
にバレーを融合させたよう。出し物は4つあり、間に休憩をはさんで前後2つずつ。
とくに後半はギター3本にカンテ、箱みたいな打楽器(名前を知らない・・)、パルマ
などで生バンドをバックに踊る。これが超すばらしい・・・会場からオレ!と掛け声や
拍手が渦巻く。会場と一体となったこんなフラメンコは初めての体験であった。
 フラメンコは芸術だ!!!コルドバのメスキータ
今回の旅で洗練されたフラメンコ、土着のフラメンコ、芸術のフラメンコとすべて見る
ことができ実に有意義な体験をすることができた。
今日でツアーは終わり、明日は自力でマラガのトレモリーノスまで行く。マラガでは地
中海を眺めながらゆっくりするつもり。
天気がよくて暖かければ、地中海で泳ぐか!!!


スペイン道中記(8)
5月2日 20時40分
今日は一日中雨・・・天気予報によるとしばらく雨が続きそうだ。
朝ホテルをチェックアウトしコルドバ駅までタクシーで向かった。ホテルから駅まで約
15分ほどである。列車の出発時刻まで1時間くらいあるが、雨が降っていることもあ
り散策はやめにしてエントランスで待つこととする。
その間、明日マラガ市内見物のため荷物をコインロッカーに預ける必要があるのでコイ
ンロッカーの使い方を観察した。コルドバ駅の場合コインロッカーは改札口の近くにあ
る。 荷物をコインロッカーに預ける場合まず係員にそのむね伝え、その荷物を改札口
のセキュリティーチェックにかけOKであればロッカーに入れることができる。
 危険物等がロッカーに入れられることを防ぐ目的だろう。ロッカーに荷物をいれたら
扉を閉め、コインを入れる。ロッカーには鍵はなく閉めたときキーワードがプリントさ
れた紙が出てくる。その紙に書かれてあるキーワードを入力して扉をあける仕組みにな
っている。
 そうこうしている間に改札が始まったので、荷物をセキュリティーチェックに通しホ
ームまで降りた。 マラガ行きの特急タルゴは時間通りにホームへ入り指定の席まで乗
り込んだ。マラガまでの所要時間は2時間強。しばし世界の車窓状態が窓の外に続く。
相変わらずのオリーブ畑に加えレモン畑だろうか、初めて見かける畑も延々と続く。ま
たスペインにきて初めて見る光景が目に入ってくる。渓谷やその下を流れる大きな川。
どこかの山岳地帯を突き抜けて走っているのだろう。マラガのコスタデルソル(太陽の海岸)
 マラガに到着後近郊線に乗り換えてトレモリーノスまで行きそこからタクシーを拾い
ホテルへ向かう「アル オテル アマラグア ポルファボール!」
 ホテルへついても雨は止む気配はない。気温は14℃。地中海が一面広がるコスタデ
ルソル。水着姿や泳いでいる人はだれもいない。まっ当然か!!
 てなわけで、泳ぐことは無理(ホテルに温水プールがあるが、ここまで来てプールは
ないだろ!!)なので海岸を散策し昼食をとり、ホテルで休養。
明日も泳げそうにはないので、マラガ市内のピカソ美術館などを観光し午後の特急でマ
ドリッドへ帰ることとするか。


スペイン道中記(9)
5月4日 5時 そろそろ日本時間に体を合わせる準備をしなければ・・
昨日はてっきり一日雨になるだろうと考えていたのに、ときおり日の差す曇りのしのぎ
やすい天気であった。
 地中海から昇る太陽はみることができなかったが広い地中海と砂浜。朝のビーチを散
歩しながら十分堪能することができた。
 ゆったりした気分で朝食を済ませた後、荷物をまとめホテルを後にした。
 タクシーでマラガ駅までの道中でもラジオからセビジャーナスが流れている。どの一
瞬を切り取ってもスペインチックである。車内で妻とセビジャーナスのリズムやアクセ
ントの位置などをパルマをしながら談義していると、運転手がなにやらいいたそうであ
る。「ソレハチガッテルヨ、ホントハコウダヨ!」とでもいいたいのか、言葉が解らず
やきもきしている様子であった。
 マラガ駅に到着し、コインロッカーへ荷物を預け(前日に観察していたので簡単に預
ける事ができた。)歩いて旧市内へ観光に出かけた。途中、南国ムード一杯の通りが続
き歩いていて非常に気持ちが良い。港がみえてくるあたりから正面にヒブラルファロ城
がみえる。思わずシャッターを切りたくなる光景である。
 そのあたりから左折しピカソ美術館へと向かう。途中カテドラルとローマ劇場の外観
を観て写真をとったりした。ピカソ美術館の前まで来てみたら・・門が閉まってる。
 ガイドブックをよくみると月曜は休館日と書いてある。そうです・・本日は休みだっ
た・・・まっ!どうしても観たかったわけでもないしと気を取り直し、いろんな地で見
たカテドラルだけど、マラガのも観ておこうかと3ユーロはらって内部に入ることとしマラガのカテドラル
た。16世紀から200年くらいかけて建築されたらしいが、どこのカテドラルでもそ
うだが息をのむすばらしさである。ガイドさんの説明には何年にどんなことがありだれ
が作ったなどの話はあるが、こんな巨大な建造物をどういった手法(技術的)で作った
という話がない。てっぺんのドームは最後の石をはめこむまでどうやって支えていたの
か何十メートル上まで巨大な石をどうやって持ち上げたのか。興味のある部分である。
 礼拝堂に座ってじっとしていると、本当に心が落ち着く。至福の時間・・・
 カテドラルを出て、しばらく街を散策し列車の出発時間が近づいてきたのでタクシー
を拾いマラガ駅まで戻った。
 マラガのローマ劇場マラガからマドリッドまではタルゴで4時間30分あまり。列車のカフェでビールを
飲んだり、車内で放映しているビデオを見たり(言葉はわからないが結構おもしろい)
寝たり、世界の車窓状態だったり・・・でマドリッド到着
 タクシーで宿泊先まで行き荷物を置いた。今回のマドリッドでの宿泊は日西文化協会
のメンバーズホテルで係の人も宿泊者もすべて日本人というところである。
 スペインで日本の色々な場所から来ている人とフレンドリーに食事をしたり話をした
りたいへん楽しい場所である。
 本日の予定 1日ショッピング。夜は前出のギタリスト高木真介さん宅にお邪魔し、
スペイン最後の夜を堪能するつもり。
明日早朝スペイン発 いよいよ帰国・・・


スペイン道中記(10)
5月6日 13時 日本である。
時差ぼけのせいかすこし体がけだるい。ラミレスのショップ
スペイン最後の日は1日ショッピングで過ごした。マドリッドの中心街であるプエルタ
デ・ソルで楽器店のレアル・ムシカル、ギターショップのホセ・ラミレス、コントレラ
ス(午後の休み中で中には入れなかった)などを訪れた。ホセ・ラミレスのショップは
ギターも数本しか展示していないし、なんせ買う気がないものであまりあれこれ見せて
くれともいいにくく、小さな店内をしばらくぐるぐる見回して・・・「グラシャス!」
店をあとにした。レアル・ムシカルには結構楽譜もおいてあったが、作曲者順には分け
てあったものの重ねておいてある状態なので探すのが邪魔くさく結局楽譜は買わずにC
Dのみ買って店をあとにした。レアル・ムシカ妻のフラメンコ用品を買ったり、みやげ物を買ったりし
て、すこしゆっくり目の昼食をとりメンバーズホテルに帰った。明日のホテル出発が5
時30分と早いためすぐに出発できるようあらかたパッキングをすませ再びホテルを出
た。高木真介さん宅に伺うためである。待ち合わせのメトロの駅入り口で待つこと数分
コントレラスのショップ。高木さんが車で現れ、乗せていただきご自宅へと向かった。ご自宅では奥様と2人の
子供さんに出迎えられ、おいしい食事と酒でもてなしていただきたいへん楽しい時間を
過ごすことが出来た。11時頃わざわざホテルまで送っていただき、たいへんお世話に
なった。翌朝5時に目覚めちょっと二日酔い気分のまま大急ぎでしたくをし、タクしー
で空港へと向かった。日本まで帰る最後の関門はギターをいかに持って帰るか・・・
チェックインの手続きをすませ、とにかくはやく機内へ入ることを考え搭乗口の近くで
待つこととした。ギターを手荷物で持ち込むことについてはノーチェックであっさり中
へ入ることができた。飛行機もパリから飛んできた時と同じ型だったので、簡単に機内
へ持ち込み荷物棚に乗せることができた。パリで約3時間待ちの間、買い物したり、お
茶をのんだりして最後の異国を楽しんだ。大阪関空行きの飛行機は予想通り、乗って来
た便と同じB777。ギターが荷物棚に入らないのは確実!!
まっここまできたら強気でいくしかない。搭乗口に一番にならび、搭乗開始とともに、
機内へ入り堂々と日本人乗務員に「棚に入りませんが、どうしたらいいでしょうか?」
何の問題もなく、預かってくれた。どうやら日本の空港のみうるさいらしい・・
約12時間後関空に無事着陸。JRを乗り継ぎ家までたどり着いた。マドリッドを発っ
て約24時間・・・ふうー

終わり

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